丸山酒造
渋沢栄一の生まれ故郷の香り高い日本酒。
酔眺月
織星
渋沢栄一と深谷
丸山酒造が酒蔵を構える深谷市は、日本資本主義の父と評され、ドラッカーも高く評価していた渋沢栄一の生まれ故郷です。深谷市血洗島の生家は中の家と呼ばれ、農家でしたが、藍玉(あいだま)(染料)の仕入れから直接販売もしていました。幼少期から栄一の商業の感覚が養われたことが窺われます。
2024年から新一万円札の顔になる予定の渋沢栄一は、日本で初めての銀行、第一国立銀行を設立、東京証券取引所の設立にも関わり、他、帝国ホテルなど様々な会社や経営団体の設立をし、日本の経済に重要な貢献をはたした人物です。
深谷では日本煉瓦製造の設立に関わりました。深谷はレンガ製造の拠点となり、東京駅など明治の建設を支えました。
JR深谷駅
日本煉瓦製造と渋沢栄一の功績を意識したレンガ造りの建築になっています。
渋沢栄一の生まれ故郷 丸山酒蔵様訪問動画
丸山酒蔵について
明治9年現在の埼玉県熊谷市下奈良にて、明治9年に初代和吉により営業を始めました。当時からある酒に「金大星」があります。酒名の由来は大相撲の金星にちなんでいます。明治16年に現在の地である深谷市横瀬にて、大豪農、荻野七郎兵衛の酒蔵を借り受け現在に至っています。深谷は関東平野のおおよそ中心に位置し、周囲の連峰を見渡し、利根川、荒川が豊かに流れ、良質な地下水を形成しています。深谷ねぎなど農産物の盛んです。そうした風土によって丸山酒蔵の酒づくりがあります。
丸山酒蔵と深谷市のレンガにまつわる動画です。「秘蔵の日本酒」の店主タカミンが取材しています。
丸山酒蔵の酒造り
水と米
丸山酒蔵の位置する深谷は、酒造りの本格化する冬季、雨がほとんど降らず、乾燥した気候になります。
利根川と荒川に挟まれ、雑菌の少ない豊富な地下水脈があり、酒造りには適した場所です。
米も地元深谷産を使用し、水と米ともにこの地ならではの原料を用いた酒を味わいいただけます。酒によっては、他産地の優れた酒造好適米を使用しています。
特に水にはこだわり、利根川水系神流川の伏流水(井戸水)を使用しています。ミネラル分の多い中硬水で、優れた水質が微生物の栄養源となり、まろやかですっきりとした味を実現しています。
精米・洗米・浸漬(しんせき)
蒸米(むしまい)・放冷
精米から洗米、米に水を吸水させる浸漬(しんせき)は非常に気を遣います。翌朝に米を蒸あげます。
この工程で酒の品質にかなり大きな影響が出ます。
麹造り
麹室(こうじむろ)はレンガ造りで深谷のレンガ製造の歴史を受け継いでいます。蒸した米に麹菌をかけて、高温多湿が保たれた麹室におかれ、米麹がつくられます。米麹は乾燥させます。乾燥した深谷の冬は最適な環境です。
酒母造り
酒母造りはアルコール発酵させるための酒母をつくります。蒸した米に麹と水、酵母、乳酸菌を加えて、つくられます。酒母は酛(もと)とも呼ばれます。
仕込み・もろみ造り
大き目のタンクに米麹と酒母、仕込水を入れます。
そこに蒸米を投入することを仕込みと言います。
このような作業を3回繰り返し、モロミに仕上げます。
モロミは麹菌の作用により米のでんぷんを糖化し、それが酵母によってアルコール発酵する過程での液体です。
上槽(じょうそう)
モロミを搾り(圧搾)、日本酒と酒粕に分ける「上槽(じょうそう)」が行われます。 搾られた酒を見るのは緊張の瞬間です。
搾ったままの酒は原酒となります。
貯蔵・火入れ
搾られた原貯蔵酒は、火入れされます。原酒には酵母菌が残り味を変えることがありますので、酒質を安定させるために低温加熱殺菌の火入れを行います。
貯蔵はタンクに貯蔵するものとビンに貯蔵するものがあります。
出荷
原酒は一夏を越えると熟成され、まろやかで独特の旨味が生まれます。
このようにして手間暇をかけ、真摯に酒造りが営まれています。
丸山酒蔵のお酒 ラインナップ
日本資本主義経済の父、渋沢栄一の生まれ故郷、埼玉県深谷市の丸山酒蔵様のお酒をご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
お酒は一つの文化であると思います。明治以来、育まれた深谷という歴史ある、独特の風土の中で生まれたお酒は、丸山酒蔵様の歴史と代表の丸山様の人柄もあいまって、他では味わえない、まさに秘蔵の味となっています。ぜひ、深谷の清く豊かな水と冬のピリッとした寒さの中で、収穫されたお米から生まれたお酒を味わってみてください。そのまろやかで、香り高く、すっきりとした旨味を気に入っていただけることと思います。